テスト前の勉強、何をすればいい?小学生の家庭学習の進め方
2026年9月13日 更新📖 約8分で読めます
小学生のテスト前、何から手をつければいいか迷う保護者へ。やみくもに全部やり直すのではなく、弱点を見つけて効率よく準備する家庭学習の進め方を紹介します。
「テストがあるらしいけど、何を勉強させればいいの?」。小学生のテストは範囲が広くないぶん、かえって何をすべきか分かりにくいものです。そしてつまずきの多くは「やる気がない」「勉強時間が短い」ではなく、どの種類のテストなのかを見ないまま、いつも同じ準備をしていることから来ています。範囲の全ページをやり直す子と、漢字50問のうち書けない8字だけを練習する子では、同じ30分でも結果がまるで違います。ここでは、テストを3種類に分けたうえで、それぞれ何をどの順でやるのかを具体的に書きます。
小学校の「テスト」は3種類ある
小学校で子どもが持ち帰るテストは、ざっくり次の3つに分かれます。まず、今回のテストがどれなのかを子どもと確認してください。
- 単元テスト(いわゆるカラーテスト)……1つの単元が終わった直後にある。範囲は教科書の数十ページだけ。多くは表が基本問題、裏が活用・説明の問題。
- 漢字・計算の小テスト……「来週、漢字50問テスト」のように、範囲も出る問題もほぼ予告どおり。
- まとめテスト(学期末・学年末)……範囲が数か月分。単元をまたいで出る。
この3つは、やるべき準備がまったく別です。単元テストに一覧づくりは要らないし、漢字50問テストで「苦手な所だけ」と絞るのも的外れです。テストの種類が決まれば、やることはほぼ自動的に決まります。
①単元テスト ―― 新しいことはやらない
単元テストは習った直後にあります。だからいちばんの敵は「わかっているつもり」です。授業で先生の説明を聞いた記憶があるので、本人は分かった気になっている。そこで新しい問題集を出しても、時間が足りないうえに自信だけ削ります。やることは2つだけです。
- 教科書の例題を、答えを手で隠してもう一度解く。例題は単元の骨です。解けたら「なぜそうするの?」と1回だけ聞く。
- ノートの赤字・囲み・先生が板書した言葉を読む。単元テストはそこからそのまま出ます。特に理科・社会の用語は、ノートの文言で覚えているほうが答えやすい。
合計で30〜40分あれば足ります。注意したいのは裏面です。裏は「説明しなさい」「どうしてそう考えましたか」といった活用問題で、表が全部できる子でもここを落とします。対策は書く練習ではなく、口で言わせること。「この問題、お母さんに説明して」で十分です。言えたら書けます。
②漢字・計算の小テスト ―― 唯一「全部やっていい」テスト
範囲が50問と決まっているなら、対策も50問です。ここは絞りません。ただし順番が結果を分けます。
- まず本番と同じ形式で1回やって、自分で丸をつける(10分)。
- そのうえで、書けなかった字だけを3回書く。
- 次の日にもう一度、落とした字だけをテストする。
最初から1番〜50番を3回ずつ書かせると、時間の大半がすでに書ける字に消えます。40問書ける子なら、9割はムダ打ちです。先に1回テストするのは、練習量を減らすためではなく、練習する場所を決めるためです。
計算の小テストも同じ手順です。1ページ通して解き、まちがえた型(繰り下がりのあるひき算、小数点の位置、分数の約分忘れなど)を見つけて、その型だけ3問。「計算が苦手」ではなく「繰り下がりが苦手」まで絞れたら、その日の勉強はもう成功しています。
③まとめテスト ―― 先に単元名の一覧を作る
学期末のまとめテストは範囲が広く、「とりあえず教科書の最初から」では必ず途中で力尽きます。最初にやるのは勉強ではなく、範囲の地図づくりです。
- 教科書の目次かノートの見出しから、単元名を紙に書き出す(5分で終わります)。
- 各単元に、子ども自身が○(人に説明できる)/△(見ればわかる)/×(覚えていない)を付ける。
- やるのは△だけ。×は多くても1〜2単元に絞り、○は触らない。
△を選ぶのがポイントです。○はやっても伸びず、×は時間がかかるうえに前の学年の内容までさかのぼることが多い。いちばん少ない労力で点が動くのは、あと一歩の△です。
なお、自己申告がずれる子もいます。全部○にする子には、○を付けた単元から1問だけ口で出して確かめる。逆に全部×にしてしまう子(自信がないタイプ)には、親が「これはできてたよ」と過去のテストを見せて○に直してあげてください。一覧が正しくないと、そのあとの勉強全部がずれます。
「まちがえた問題だけやる」の×は3種類
「まちがえた問題だけやり直す」はよく言われますが、×をひとまとめにすると手当てを間違えます。×は中身で3つに分かれ、それぞれ対処が別です。
- (a) 解き方を知らない……本物の苦手。教科書の例題まで戻る。ここだけは時間をかける。
- (b) 解き方は知っているが手順が抜ける……途中式を書かない、筆算を暗算でやる。同じ型を3問つづけて解く。
- (c) 読みちがい・写しまちがい・単位忘れ……いわゆるケアレスミス。解き直しても解けてしまうので、問題ではなく見直しの手順(単位を丸で囲む、答えを問題文に当てはめる)を決める。
区別せずに「もう一回解きなさい」とすると、(c)の子は解けてしまい、親子とも「できたから大丈夫」で終わります。そして本番で同じミスをします。×の横に a・b・c と書き込むだけで、次にやることが変わります。
前日と当日の朝にやること・やらないこと
前日に長時間やらせるより、数日に分けて短くのほうが定着します。前日のルールは3つです。
- 新しい問題を出さない。前日に初めて見る問題で×が出ると、不安だけが残ります。△の単元を「見るだけ」にして、20〜30分で切り上げる。
- 早く寝る。覚えたことは眠っている間に整理されます。1時間の詰め込みより、1時間の睡眠のほうが点になることは珍しくありません。
- 持ち物を前の日にそろえる。鉛筆の本数、消しゴム、赤鉛筆、図形なら定規とコンパス。道具が足りないだけで落とす点があります。
当日の朝は書かせないでください。漢字なら読むだけ、計算なら答えを見ながら手順を目で追うだけ。朝に新しく覚えるのは無理ですが、直前に目を通した内容は出てきやすいので、△の単元を5分ながめるのは効きます。
返ってきてからの3日間がいちばん点になる
テスト前より、じつは返却後のほうが効率よく力が付きます。何が分かっていなかったかが紙に出そろっている、一年でいちばん情報の多い状態だからです。
- できるだけ早く(48時間以内)、×を前章の a・b・c に分けてノートの端に書く。日がたつと、なぜ間違えたか本人が思い出せません。
- 直しは答えを写すのではなく、もう一度自力で解く。解けたら日付を書く。
- 点数の話をする前に「どの種類の×が多かった?」と聞く。叱る材料ではなく、次の範囲の指示になります。
さらに大事なのは、単元テストの×は学期末のまとめテストにそのまま出るということです。単元テストのたびに×を拾っておけば、まとめテストの準備は半分終わっています。これが「テスト前にあわてない家庭」の正体です。
学年ごとの目安
低学年(1・2年)
テスト範囲の把握は親の仕事と考えてかまいません。量は1回15〜20分。ひらがな・カタカナの形、繰り上がり繰り下がりが中心です。「テストは悪いものではない」という印象を作るのが、この時期のいちばんの成果です。
中学年(3・4年)
○△×を自分で付ける練習を始めます。最初はずれますが、ずれたことを本人が知るのも練習です。わり算の筆算、都道府県、理科の用語のように「覚えれば取れる」範囲が増えるので、やった分が点に出やすい学年です。
高学年(5・6年)
一覧づくりと「何日前に何をやるか」の計画を本人に任せます。割合・速さ・歴史の年号は、分かっているつもりの△が埋もれやすい単元なので、親は○の申告だけ1問出して確かめてください。中学の定期テストは、この一覧→△を選ぶ→直すという流れがそのまま使えます。
やってしまいがちなNG
- 範囲の全ページをやり直す。時間が足りず、しかも時間の大半がすでにできる問題に消えます。
- 前日に新しい問題集を買ってくる。使い切れず、不安が増えるだけです。
- 「何時間やったか」で管理する。見るべきは時間ではなく、△と×がいくつ減ったかです。
- 点数だけを見て叱る。×を隠すようになり、いちばん価値のある情報が家庭から消えます。
よくある質問
範囲のプリントをなくしてしまいました
担任に確認すれば教えてもらえます。確認が間に合わない場合も、ノートの「前回のテストの次の見出し」から今日までが範囲とみて、ほぼ外れません。
「勉強した」と言うのに点が取れません
○の単元ばかり見ている可能性が高いです。勉強の中身が「できる問題の確認」になっていないか、△を1つでも選べているかを見てください。本人はサボっていないので、やり方の問題として話すほうが伝わります。
何日前から始めればいいですか
単元テストは前々日と前日の2回で足ります。漢字・計算の小テストは、先に1回テストする日を入れるので3日前から。まとめテストは1週間前に一覧づくりだけ済ませ、残りの日で△をつぶすのが現実的です。
まとめ
テスト前にやることは、テストの種類で決まります。単元テストは教科書の例題とノート、小テストは先に1回やって落ちた所だけ、まとめテストは単元一覧を作って△だけ。そして×は「知らない・手順が抜ける・うっかり」の3つに分けて、それぞれ別の手当てをする。前日は詰め込まず早く寝て、返ってきたら48時間以内に直す。この流れが回り出すと、テストは点を付けられる日ではなく、弱点が1回ぶん減る日になります。
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同じところでつまずいているお子さんのご家庭に、そのまま渡せます。
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