47都道府県が覚えられない子への、家庭でできる覚え方 ― 丸暗記をやめる3手順
2026年10月8日 更新📖 約9分で読めます
47都道府県は名前だけを丸暗記しようとすると必ずこぼれます。位置・名前・県庁所在地のどこでつまずいているかを見分け、8つの地方に分けて覚え直す家庭でのやり方と、47個が「1都1道2府43県」に分かれる理由を紹介します。
47個を一度に覚えようとすると、必ずこぼれる
都道府県は小学4年の社会で本格的に登場し、以後6年まで地図帳を開くたびに前提として使われます。ところが「47個ぜんぶ覚えなさい」と言われた子の多くは、白地図を前にして数えるほどしか埋められません。これは記憶力の差ではなく、覚え方の設計の問題です。
47という数は、子どもが一度に扱える量をはるかに超えています。人が一度に覚えていられるのはせいぜい7つ前後で、それ以上は「かたまりに分ける」ことでしか処理できません。にもかかわらず、家庭学習では47個を五十音順に並べたリストを渡してしまいがちです。これは、電話番号を区切らずに11桁つづけて覚えさせるのと同じことをしています。
都道府県でつまずいている場所は、だいたい3つに分かれます。①名前は言えるが場所が分からない、②場所は分かるが名前が出てこない、③県庁所在地とごちゃまぜになっている。この3つは必要な手当てがまったく違うので、まずどれなのかを見つけるのが先です。
つまずき①:名前は言えるが、場所が分からない
「秋田県」「岡山県」と言葉としては知っているのに、白地図のどこを指せばいいか分からないタイプです。テレビや会話で名前だけを耳にしてきた子に多く、いちばんよく見られます。
- 見分け方:地図帳を閉じた状態で「秋田県って、日本の上のほう?下のほう?」と聞いてみてください。上下すら答えられないなら、名前と場所が結びついていません。
- 直し方:いきなり47個ではなく、8つの地方に分けて覚え直します。北海道/東北/関東/中部/近畿/中国/四国/九州。まずはこの8つの名前と、日本地図のどのあたりかだけを覚えます。ここは1日で終わります。
- 次に、1つの地方だけを取り出します。たとえば東北の6県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)。6個なら一度に扱える量です。1週間に1地方ずつ進めれば、8週間で一周できます。
順番も決めておくと迷いません。地方の中では北から南へ、と決めていつも同じ順で唱えます。順番が固定されていると、思い出せない県があっても前後から手繰り寄せられるようになります。
つまずき②:場所は分かるが、名前が出てこない
白地図を指されて「ここは……分かるんだけど……」と言葉に詰まるタイプです。地図を見る機会は多いのに、口に出す練習をしていない子に起きます。
- 見分け方:選択肢を3つ出すと正解できるのに、何も見ずに言わせると出てこない場合は、ここです。
- 直し方:形から名前を言う練習に切り替えます。白地図の1県だけを指さして名前を言わせる。答えが出るまで待たず、3秒で出なければ親が言ってしまってかまいません。テンポを止めないほうが定着します。
- かたちに特徴のある県から始めると、手がかりが増えます。北海道、青森、千葉、静岡(横に長い)、香川(いちばん小さい)、鹿児島(ふたつに分かれている)。「形+名前」で結びついた県は忘れにくくなります。
ここでよくある失敗が、書き取りで覚えさせようとすることです。都道府県は漢字も難しく、書く練習と場所を覚える練習を同時にやると、どちらも中途半端になります。まずは口で言えるようにして、漢字は後から分けて練習してください。
つまずき③:県庁所在地とごちゃまぜになっている
「宮城県の県庁所在地は?」と聞かれて「宮城市」と答えてしまうタイプです。県名と同じ都市名(青森市・秋田市など)が多いために、違うものだけが混乱の種になります。
- 見分け方:県名は言えるのに県庁所在地でだけ止まるなら、ここです。
- 直し方:全部を覚え直す必要はありません。県名と違うものだけを取り出します。北海道=札幌、岩手=盛岡、宮城=仙台、茨城=水戸、栃木=宇都宮、群馬=前橋、埼玉=さいたま、神奈川=横浜、山梨=甲府、愛知=名古屋、三重=津、滋賀=大津、兵庫=神戸、島根=松江、香川=高松、愛媛=松山、沖縄=那覇。
- 数えると17個です。「残りは県名と同じ」と決めてしまえば、覚える量は47個から17個に減ります。
この「違うものだけを覚える」という考え方は、社会のほかの単元でも使えます。全部を等しく覚えるのではなく、例外だけを拾う。ここに気づくと、暗記の負担はかなり軽くなります。
もうひとつの分け方:47都道府県は「1都1道2府43県」
47という数をそのまま覚えようとすると大変ですが、実はこの47個は4つの種類に分かれています。東京都が1つ、北海道が1つ、大阪府と京都府の2つ、そして残りの43個がすべて「県」です。足し算すると1+1+2+43=47で、ぴったり一致します。
- 都は東京だけ:日本の首都である東京は、もともと「東京府」という名前でしたが、1943年に「東京都」という特別なしくみに変わりました。首都だから名前も特別、と覚えれば混乱しません。
- 道は北海道だけ:北海道は面積が広すぎるため、ほかの県のようにいくつかに分けず、まるごと1つの行政区として扱われています。「道」という呼び方は、北海道専用です。
- 府は大阪と京都の2つ:明治のはじめ、とくに重要な都市として東京・大阪・京都の3つが「府」と呼ばれていました。のちに東京だけ「都」に変わったので、今は「府」は大阪と京都の2つしか残っていません。
- 残りの43個は、すべて「県」:都・道・府にあてはまらないものは、全部「県」です。特別な3種類(都・道・府)だけ名前と理由を覚えてしまえば、残りは自動的に「県」だと分かります。
この分け方は、県名や位置とは別の切り口です。「47個をバラバラに覚える」のではなく、「特別な4個(都1・道1・府2)の理由を知り、残りは全部県」という順番で覚えると、都道府県という言葉そのものの意味もすっきりします。社会のテストで「都道府県の種類を選ぶ」問題が出たときも、この4個さえ覚えていれば迷いません。
家庭での見分け方:白地図を1枚、3分だけ
どこでつまずいているかは、白地図1枚あれば分かります。地図帳の巻末のものでも、印刷したものでもかまいません。
- 名前は言えるのに指させない → つまずき①(場所)
- 指させるのに名前が出ない → つまずき②(名前)
- 県名は答えられるが県庁所在地で止まる → つまずき③(例外)
1つ見つかれば、直すのはそこだけで済みます。「毎日47個を書いて覚える」といった量で押す方法は、原因が分からないうちはおすすめしません。覚えられないまま机に向かう時間が増えるだけで、「社会はつまらない」という記憶だけが残ってしまいます。
日常のなかで、位置と結びつける
都道府県は、覚える対象としてはめずらしく日常のなかに材料がたくさんある単元です。机の上の練習だけで終わらせるのはもったいないところです。
- 食品の産地表示を見る:「このりんご、青森だって。青森はどこだっけ?」——買い物のたびに1県ずつで十分です。
- 天気予報を見る:地方名(東北地方・近畿地方)が毎日出てきます。8つの地方を覚えたあとだと、急に耳に入るようになります。
- ニュースやスポーツ:出身地や開催地が出たら、地図帳で場所を確かめる。1日1回で構いません。
- 親戚や友だちの住んでいる場所:「おばあちゃんの家はどこ?」と結びつけると、気持ちのついた記憶になって忘れにくくなります。
共通しているのは、そのつど地図で場所を確かめることです。名前を聞いただけでは通り過ぎてしまいますが、指で1回さしておくと、次に聞いたときに位置が浮かぶようになります。
覚えたことは、短く残しておく
都道府県はこのあとも、地形・産業・気候・歴史とつながって何度も出てきます。だからこそ、今日つかんだやり方を言葉で残しておくと次に効きます。「地方ごとに、北から南の順で言う」「県庁所在地は、県名とちがう17個だけ」——このくらいの短い一行で十分です。
ノートの端でもかまいませんし、続かないようならアプリを使う手もあります。大事なのは、次に白地図を前にしたときに思い出せる形で残っていることです。
合いことば ―「特別な4つを覚えれば、残りは全部『県』。」
47個を1つずつ覚えようとして手が止まったら、この一言を思い出してください。「特別な4つを覚えれば、残りは全部『県』。」 東京(都)・北海道(道)・大阪と京都(府)の4つだけ名前と理由を知っていれば、残りの43個はすべて「県」だと自動的に決まります。
よくある質問
1.都・道・府・県で、呼び方がちがうことに実際の意味はありますか
大きな意味では、どれも「都道府県」という同じ仕組みの中の地方自治体です。ちがいはおもに歴史的な経緯によるもので、日常生活や行政サービスの受け方に大きな差はありません。ただし社会のテストでは「都道府県の種類を正しく選ぶ」問題として出やすいので、1都1道2府43県という数の組み合わせだけ覚えておくと安心です。
2.なぜ東京だけ「都」なのですか
東京は日本の首都だからです。もともとは「東京府」という名前でしたが、1943年に特別なしくみである「東京都」に変わりました。首都としての特別な位置づけが、名前にも表れています。
3.大阪と京都だけ「府」なのはなぜですか
明治のはじめ、とくに重要な都市として東京・大阪・京都の3つが「府」と呼ばれていたためです。のちに東京だけ「都」に変わったので、今は大阪府と京都府の2つだけが「府」として残っています。
4.覚えるときは、どの順番で覚えればいいですか
数が少ないものから覚えるのがおすすめです。まず都が1つ(東京)、次に道が1つ(北海道)、次に府が2つ(大阪・京都)。この4つを覚えてしまえば、残りの43個はすべて「県」だと自動的に分かります。
まとめ
47都道府県が覚えられない理由は、①場所と結びついていない・②口に出す練習が足りない・③県庁所在地の例外を整理していない、のどこかにあります。47個を一度に扱わず、8つの地方に分けて1週間に1地方ずつ。覚える量を減らしてから始めるのが、家庭でできるいちばん確実なやり方です。さらに、名前の種類で迷ったときは「特別な4つを覚えれば、残りは全部『県』。」と思い出せば、47個という数そのものへの身構えも小さくなります。
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同じところでつまずいているお子さんのご家庭に、そのまま渡せます。
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