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「こん虫」でつまずく子への、家庭でできる教え方 ― 見分ける決め手は、あしの本数ではなく「どこから出ているか」

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3年理科の「こん虫のからだとそだち」は、あしを6本数えて終わりにしがちですが、点を落とすのはそこではありません。クモやダンゴムシをこん虫に入れてしまう見分け方、さなぎになる虫とならない虫の書き分け、たまごを産む場所を「よう虫の食べ物」で説明するところまでまとめました。

「虫」と「こん虫」が、ごちゃまぜのままになっている

3年理科の「こん虫」は、テストで「次のうち、こん虫はどれですか」と聞かれる単元です。ここでクモ・ダンゴムシ・ムカデに丸をつけてしまう子が、毎年たくさんいます。

これは知らないからではありません。子どもにとって、小さくて足がたくさんあって庭にいるものは、ぜんぶ「虫」だからです。生活のことばの「虫」と、理科のことばの「こん虫」が同じ意味だと思ったまま授業を受けているので、見分けようという気持ちがそもそも起きません。

だから家でやることは、虫の名前を覚えさせることではなく、「虫」の中に「こん虫」という小さい組がある、と分けてやることです。クモは虫ではあるけれど、こん虫ではない ― この一言が通れば、あとは決め手を1つ渡すだけで終わります。

決め手は、あしの本数ではなく「どこから出ているか」

教科書には「こん虫のからだは、頭・むね・はらの3つに分かれていて、あしは6本」と書いてあります。ここで多くの家庭が「あしが6本なら、こん虫」と教えますが、これだけだと子どもはまちがえます。ダンゴムシもムカデも、子どもはあしを最後まで数えません。数えないまま「たくさんある」で終わるので、6本かどうかを確かめる場面が来ないのです。

もっと強い決め手はこちらです。

あし6本が、ぜんぶ「むね」から出ている。

こん虫は、あしも、はねも、すべてまん中のむねから出ています。はらからは1本も出ていません。だから見分けるときは、本数を数える前に「どこから生えているか」を指でなぞるほうが速くて確実です。アリを1匹見れば、くびれが2か所あって3つのかたまりに分かれているのが分かります。そのまん中の1か所から、6本ぜんぶが出ています。

この目で見ると、ほかの虫はすぐに落ちます。

ついでに、こん虫にはしょっ角が2本あります(頭から出ています)。「頭にしょっ角、むねにあしとはね、はらには何も出ていない」まで言えると、図に線を引く問題でも落としません。

そだち方は2とおり ― さなぎになる虫と、ならない虫

この単元のもう半分は「そだち方」です。こん虫の育ち方は2とおりしかないと先に伝えてしまうのがいちばん早い方法です。

テストで落とすのは、バッタやトンボの育ち方に「さなぎ」を書いてしまう形です。モンシロチョウでさなぎを習った直後に習うので、全部の虫にさなぎがあると思ってしまいます。ここは理由づけができます。

さなぎになる虫は、よう虫とせい虫で見た目も食べ物もまるでちがう。

チョウのよう虫は葉を食べる青虫で、せい虫は花のみつを吸います。体の形も口の形も作り直す必要があるので、動かずに作りかえる時間=さなぎがいります。いっぽうバッタは、よう虫のときからバッタの形をしていて、はねが小さいだけです。同じ草を食べて同じように跳ねているので、作りかえる必要がありません。「作り直すなら、さなぎがいる」と結びつけておくと、知らない虫が出てきても見当がつきます。

大きくなるには、皮をぬぐしかない ― だっぴ

「なぜ何回もだっぴするのか」は、記述で出ます。答えは1つです。

こん虫の体の外側はかたくて、着たままでは大きくなれないから。

人は体そのものが少しずつ大きくなりますが、こん虫はかたい皮で外側をおおっているので、中身が大きくなるとぬいで着がえるしかありません。青虫が何回かだっぴして大きくなるのも、セミが地面から出てぬけがらを残すのも、同じ理由です。「服がきつくなったから、大きい服に着がえた」と言いかえると、そのまま通ります。

あわせて覚えておくと得なのが、よう虫とせい虫で、すむ場所がちがう虫がいることです。トンボのよう虫(ヤゴ)は水の中にいて、せい虫になると空を飛びます。セミのよう虫は土の中で何年もすごし、出てきてからだっぴしてせい虫になります。「トンボのよう虫はどこにいますか」と聞かれて「草の中」と書いてしまう子が多いので、ここは名前(ヤゴ)と場所(水の中)をセットで渡します。

たまごの場所は「よう虫の食べ物」で決まっている

3年でいちばん差がつく記述が、これです。

「モンシロチョウは、なぜキャベツの葉にたまごを産むのですか」

ここで「葉がやわらかいから」「かくれやすいから」「きれいだから」と書くと点になりません。答えは、

生まれたよう虫が、すぐにその葉を食べられるから。

です。生まれたばかりのよう虫は小さくて、遠くまで歩いて食べ物をさがすことができません。だから親は「よう虫の食べ物の上」に産みます。この考え方は虫が変わっても同じで、アゲハはミカンやサンショウの葉に産みます。これらの葉しか食べないからです。キャベツにアゲハのたまごはありませんし、ミカンの木にモンシロチョウのたまごはありません。

この一本が入ると、「なぜここにいるのか」という問いがぜんぶ同じ形で解けるようになります。虫がいる場所は、たいてい食べ物のある場所だからです。

つまずきやすい4つのポイント

家でできる確かめ方 ― 5分の虫さがし

この単元は、教科書を読み直すより1匹まじまじと見るほうが速く入ります。虫が苦手なら、さわらずに見るだけ、写真を撮るだけで十分です。

声かけは「これ、こん虫?」ではなく「これ、いくつに分かれてる?」にします。名前を当てさせる質問だと当てずっぽうになりますが、分け方を聞く質問なら、目で確かめるしかなくなるからです。

まとめ

こん虫でまちがえるのは、覚えていないからではなく、生活のことばの「虫」と理科の「こん虫」が同じものになっているからです。見分けは本数を数えるよりあしとはねがぜんぶむねから出ているか、その前にからだが3つに分かれているかを見るほうが速く、クモ(8本・2つ)もダンゴムシ(14本)もムカデもそこで落ちます。そだち方はさなぎになる(たまご→よう虫→さなぎ→せい虫)とさなぎにならない(たまご→よう虫→せい虫)の2とおりだけで、よう虫とせい虫で作り直しが必要な虫だけがさなぎになります。だっぴは外がかたくて着たままでは大きくなれないから、たまごの場所は生まれたよう虫がすぐ食べられるから。この4つを、アリ1匹とぬけがら1つで確かめれば、暗記しなくても残ります。

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