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もののあたたまり方とものの燃え方でつまずく子への、家庭でできる教え方 ― 「あたためられた空気は上へ動く」だけで両方つながる

📖 約9分で読めます

4年の「もののあたたまり方」と6年の「ものの燃え方」は、教科書では2年もはなれた別の単元ですが、しんは同じ1つです。あたためられた空気や水は、同じかさで見ると軽くなるので上へ動く ― これが分かると、金属と水と空気のちがい、エアコンの風の向き、ふたをしたびんの中でろうそくが消える理由、上下に穴をあけると燃えつづける理由が、全部つながって説明できます。火を使わない家庭での確かめ方までまとめました。

2年はなれた2つの単元は、じつは同じ話をしている

4年生で「もののあたたまり方」を習い、6年生で「ものの燃え方」を習います。教科書のあいだは2年あき、子どもは完全に別の単元として受け取ります。だから6年になると、4年でやったことを一切使わずに、また一から覚え直そうとします。

ところがこの2つは、たった1つの事実でつながっています。

「あたためられた空気は、同じかさで見ると軽くなるので、上へ動く。そのあとに、まわりの冷たい空気が入ってくる。」

これだけです。4年の「空気のあたたまり方」はこの前半の話で、6年の「ものの燃え方」は後半の「入ってくる」ほうの話です。ろうそくがびんの中で消えるのも、上下に穴をあけると燃えつづけるのも、全部この1文で説明がつきます。

ですから家庭で最初に渡すのは、実験の結果でも用語でもなく、この1文です。先に1文を持っている子は、実験を「確かめ」として見ます。持っていない子は、実験を「覚えるべき結果」として見ます。同じ授業を受けても、残るものがまるでちがいます。

金属・水・空気は「3通り」ではなく、動けるかどうかで2つに分かれる

4年のあたたまり方で、子どもは金属・水・空気の3つを別々に暗記します。「金属は順に」「水は上から」「空気も上から」——3つ覚えて、テストで混ざります。

覚える数は3つも要りません。分かれ目は1つ、「あたためられた部分が動けるか、動けないか」です。

この2つに畳んでおくと、子どもは初めて見る問題でも自分で答えを出せます。「水の入った試験管の上のほうだけを熱したら、下はあたたまるか?」と聞かれたとき、暗記した子は止まりますが、分かれ目を持っている子は「あたたかい水は上にいるだけだから、下は冷たいまま」と言えます。

そして、なぜ上へ動くのかも一度だけ通しておいてください。あたためられると、水も空気ももとより大きくふくらみます(体積が大きくなる)。かさが増えても中身の量は増えていないので、同じかさで比べたときに軽くなります。軽いほうが上、重いほうが下——これは水にういたあぶらと同じ理由です。ここはもののとけ方で扱った「見えなくなっても、なくなってはいない」という見方とそのまま地続きです。

空気は目に見えないので、実験は「動いた証拠」を見にいく

空気のあたたまり方でつまずく最大の理由は、見えないことです。水なら絵の具やおがくずが回るのが見えますが、空気は何も見えません。だから子どもは、教科書の矢印を「そう書いてあるから」と覚えるだけになります。

家庭では、空気そのものではなく、空気に動かされたものを見るやり方に切りかえてください。火を使わずにできます。

どれも1分で終わります。大事なのは結果を見せることではなく、そのあとに「いまの、どっちが動いたと思う?」と聞くことです。子どもが「あたたかい空気が上に行った」と自分の言葉で言えたら、そこがゴールです。観察のさせ方そのものは理科の「観察」を家庭で楽しく続けるコツにまとめています。

ものが燃えるには3つ、消すには1つ取ればいい

6年の「ものの燃え方」に進みます。ここで子どもが暗記しがちなのが、消火の方法をばらばらに覚えることです。水をかける、ふたをする、どける——3つ別々に覚えて、応用が利きません。

先に、燃えつづけるために要るもの3つを渡してください。

そのうえで「消すときは、この3つのどれか1つを取ればいい」と言うと、消火の方法は覚える対象ではなくなります。水をかける=温度を下げる。ふたをする・砂をかける=酸素を断つ。燃えるものをどける=燃えるものを取る。 3つ覚えるのではなく、1つの考え方から3つが出てきます。

ここで空気と酸素を同じものだと思っている子が非常に多いので、1回だけ数で押さえてください。空気のうちおよそ5分の1(約21%)が酸素で、残りの大部分(約78%)はちっ素です。ちっ素はものを燃やすはたらきをしません。びん1本分の空気があっても、燃やすのに使えるのはそのうちの5分の1だけ——この感覚があると、次の話がすっと入ります。

いちばん多いまちがい:「酸素がなくなったから消えた」

ふたをしたびんの中のろうそくが、しばらくして消えます。ほとんどの子は「中の酸素が全部なくなったから」と答えます。これはまちがいです。

実際には、酸素はまだ残っています。もえたあとのびんの中の空気を調べると、酸素は21%から17%くらいまでしか減っていません。それでも火は消えます。酸素がゼロになったから消えるのではなく、うすくなると燃えつづけられなくなるから消えるのです。

そして、減ったぶんがどこへ行ったかもセットで押さえます。減った酸素のぶんだけ、二酸化炭素が増えています。だから燃えたあとの空気に石灰水を入れて振ると白くにごります。燃える前の空気ではにごりません。石灰水が白くにごる=二酸化炭素がある、という1対1の対応だけ持たせれば十分です。

この「ゼロになったのではなく、うすくなった」という言い方は、記述問題でそのまま点になります。「なぜ火が消えたか」に「酸素がなくなったから」と書くと、多くの場合まちがいとして扱われます。「酸素が減って、燃えつづけられなくなったから」と書けるかどうかです。子どもが「なくなった」と言ったら、その場で「全部なくなった? それとも減った?」と1回だけ聞き返してください。

穴を上下にあけると燃えつづけるのは、4年の話にもどるから

この単元の山場が、びんの口や側面に穴をあける実験です。子どもは「穴があいていれば燃える」と乱暴に覚えますが、問われるのは穴の位置です。

ここでさっきの1文を出してください。あたためられた空気は上へ動く。動いて出ていったぶん、下から新しい空気が入ってくる。 つまりこの実験は、6年の新しい話ではなく4年でやったことの続きです。子どもに「これ、4年のときの何と同じ?」と聞くと、つながった瞬間の顔をします。

キャンプでたき火を組むとき下にすきまを作るのも、まきストーブの下に空気の取り入れ口があるのも、七輪の下に窓がついているのも、全部これです。身のまわりの道具のほうが先に正解を出していると気づかせると、暗記が要らなくなります。

家庭での確かめ方は、火を使わずに5分

燃焼の実験は学校でやります。家庭で火を扱う必要はまったくありません。火を使わずに、同じ考え方だけ確かめられるものを選んでください。

どれも道具を買わずにできます。実験は「やったことがあるか」より、「どちらが動いたかを言えるか」です。安全面の考え方は理科の「実験」を家庭で安全に楽しむコツにまとめてあります。

親が言うのは、この1問だけでいい

知識を確かめる質問(「対流ってなに?」)は、その場かぎりです。かわりに、どちらの単元でも使える1問を渡してください。

「それ、あたたかいほうはどっちへ動いたの?」

金属なら「動いていない、順に伝わっただけ」。水なら「上」。びんの中のろうそくなら「上から出ていって、下から新しいのが入ってきた」。どの場面でも答えの形が同じになるので、子どもは単元をまたいで同じ道具を使えるようになります。

そして、分かったことを1行だけ残させてください。「あたたかい空気は上」「火が消えるのは酸素が減ったから、ゼロじゃない」——このどちらかでも書き出してあれば、テスト前に読み返す価値のある1行になります。自主学習ノートに何を書けばいいかで書いたとおり、理科でノートに残す価値があるのは、実験の結果そのものより「なぜそうなったか」の1行のほうです。

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同じところでつまずいているお子さんのご家庭に、そのまま渡せます。

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