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がい数・四捨五入でつまずく子への、家庭でできる教え方 ― 四捨五入する前に、見るけたを指で押さえる

📖 約8分で読めます

4年算数の「がい数」は、四捨五入のやり方が分からないのではなく、どのけたを見ればいいか分からなくて間違えます。「百の位までのがい数」「百の位を四捨五入」「上から2けたのがい数」は、見るけたが全部ちがう ― この3つの言い回しの読み分けを手順に落とし、くり上がりで0が並ぶとき、以上・以下・未満で表す答えのはんい、和と積で変わる見積もりのやり方まで、レシート1枚でできる家庭の確かめ方とあわせてまとめました。

まちがえているのは四捨五入ではなく、「どのけたを見るか」

4年生でがい数(概数)が出てくると、それまで計算のできていた子が急に×をもらいはじめます。答案を見ると、四捨五入そのものはできています。4以下は切り捨て、5以上は切り上げ——ここは、ほとんどの子が言えます。

それなのに×がつく。理由は1つです。

四捨五入する位置を、まちがえている。

がい数の問題文には、言い方が3種類あります。子どもには、これが全部同じ意味に見えています。

この3つは、見るけたがそれぞれちがいます。同じ数でも答えが変わります。ここを読み分けられないまま「4以下は切り捨て」を何度練習させても、正答率は上がりません。家庭でやることは、計算練習ではなく読み分けの手順を渡すことです。

手順は3つ ― ①残すけたに○ ②そのすぐ右に指 ③指のけただけ見る

言い回しが変わっても、やることは1つに統一できます。まず「どこまで残すか」を決め、そのすぐ右の1けただけを見る。これだけです。

紙の上で、実際に印をつけさせてください。頭の中でやらせるから、ずれます。

  1. 残す位に○をつける
  2. その1つ右のけたに、指を置く
  3. 指のけただけを見て、0〜4なら○から右を全部0に、5〜9なら○のけたを1つ増やしてから右を全部0に

この手順で、3つの言い回しは次のように読みかえられます。

3728でやってみます。

同じ3728が、3700にも4000にもなります。ここを1回、同じ数で3通りやって見せるのが、この単元でいちばん効きます。「言い方がちがえば答えもちがう」と体で分かるからです。

そのうえで、いちばん取りちがえやすい「まで」と「を」だけ、言葉で決めておきます。

「まで」は残す位。「を」は見る位。

くり上がって、0がずらっと並ぶとき

次のつまずきは、5以上で切り上げたときにけたが1つ上がる場合です。

2960を、百の位までのがい数にします。○=9(百)、指=6(十)。6は5以上なので、百の位を1つ増やします。すると9が10になってしまい、そこで手が止まります。

ここで「9のところに10と書く」ことはできません。百の位は1けたしか入らないからです。1つ上の千の位にくり上がって、3000になります。

子どもがよくやる誤答は2000(千の位を見てしまった)と2900(切り上げを忘れた)と3960(右を0にし忘れた)の3つです。とくに3つ目が多い。四捨五入は「右を全部0にする」までが1セットだと、手順の③に必ず入れておいてください。

もう1つ、見落とされがちなのが「上から2けた」で0が出てくるケースです。1049を上から2けたのがい数にすると、残すのは1と0、指は4。4以下なので切り捨てて1000です。「0はけたに数えるの?」と必ず聞かれます。答えは「いちばん上の0でなければ、数える」。左から最初の数字を1けた目として、あとは順に数えるだけと伝えれば足ります。

「四捨五入して500になる数」で、以上・以下・未満が出てくる

がい数の後半には、逆向きの問題が出ます。

「十の位を四捨五入して500になる数のはんいを、以上・未満で答えなさい」

ここで手が止まるのは、算数ができないからではなく、以上・以下・未満という言葉が入っていないからです。先に言葉を確定させます。

「以」がつくほうは自分も入る、と覚えさせるのがいちばん短くてすみます。

そのうえで、さっきの問題です。四捨五入して500になるのは、いちばん小さくて450(450は切り上がって500になる)、いちばん大きくて549(549は切り捨てて500)。550になると600へ切り上がってしまうので入りません。よって450以上550未満です。

答えに549ではなく550未満と書くのはなぜか。整数だけなら549でも合っていますが、549.8のような数も500になるからです。だから入らない側の境目を「未満」で切る。ここは理屈で1回話しておくと、5年の小数や6年でも効いてきます。

この手の問題は、数直線を1本かかせるだけで見え方が変わります。450と550に印をつけ、その間をなぞらせる。左の印はぬりつぶし(入る)、右の印は白丸(入らない)。文章のままでは決まらなかった境目が、図では一目で決まります。図でつまずく子には、図形が苦手な子への家庭での教え方と同じく「まず1本ひかせる」から入ってください。

見積もりは、たし算とかけ算でやり方が変わる

がい数がいちばん役に立つのは、見積もり(がい算)です。ここでもう一段つまずきます。「だいたいでいい」と言われているのに、どこまでざっくりしていいのかが分からないからです。

教科書での使い分けは、おおよそこうなっています。

なぜ変えるのか。たし算は多少ずれてもずれの大きさがそのままですが、かけ算はずれどうしがかけ合わさって大きくなるので、そもそも細かくしても意味がないからです。だったら暗算できるところまで落としたほうが速い、という話です。

たとえば「1個498円のものを19個買うと、だいたいいくら?」。498を500、19を20にして、500×20=10000円くらい。実際は9462円なので、1万円札で足りるかを判断するには十分です。見積もりの目的は正確な答えではなく、「足りるか・多すぎないか」を決めることだと、目的のほうを先に言ってください。

見積もりができると、ふだんの計算ミスにも効きます。答えを出したあとに「だいたいいくつになるはずだった?」と自分で確かめられるようになるからです。計算の×が減らない子は、計算ミスのチェックリストとあわせて、この見積もりを見直しの1手目に入れてみてください。

テストで落とす4つ

家庭での確かめ方は、レシート1枚

この単元は、ドリルを足すより買い物1回のほうが早く入ります。がい数は、もともと生活の中の道具だからです。

1日5分で足ります。紙に○と指の位置だけ書かせる練習を何日か続ければ、テストの読み分けはほぼ落ちなくなります。やり方を覚えたあとの1日1問は、家庭学習を続けるしくみのほうに任せてしまってください。

親が言うのは、この1つだけでいい

途中で手が止まったとき、答えを教える必要はありません。かわりに、この1問を渡してください。

「いま、どのけたを見てるの?」

がい数のまちがいは、ほぼ全部ここに戻ります。指で押さえているけたを言わせれば、子どもは自分でずれに気づきます。教えるのではなく見ている場所を確認させる——この形は、5年の割合でも、速さでも、そのまま使えます。

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同じところでつまずいているお子さんのご家庭に、そのまま渡せます。

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